”ドイツワインは甘い”のウソ



日本でも人気のドイツワイン。みなさんはどんなイメージをお持ちだろうか。

きっと多くの方が”ドイツワインは甘い”と答えるのではないだろうか?我々が試飲を勧めても「ドイツワインは甘いからいいや…」と言われることもしばしばある。

しかしこれは残念ながら誤解である。たしかにドイツはすばらしい甘口ワインの生産国でもある。が、同時に上質な辛口白ワインの生産国でもある。

実際、現在のドイツは生産量の7割弱が中辛口から辛口の白ワイン。甘口ワインよりもはるかに生産量が多いのだ。またシュペートブルグンダー(ピノ・ノワール)などの黒葡萄から造られる上質な赤ワインの生産量も増え、食事とともに楽しめるワインもバラエティ豊かに揃っている。

これだけの上質ワインを”甘いはず”どいう先入観で排除してしまうのは実にもったいない。

そもそもドイツは甘口ワインの生産には向かない国なのだ。葡萄は日照時間が長く、温暖な地域で育つほど糖度が高くなる訳だが、北緯50度付近のドイツは葡萄栽培の北限地域。これ以上北の地域では葡萄は上手く育たない。

そこで勤勉で努力家のドイツ人たちは研究を重ねた。葡萄の収穫を遅らせ、川面で太陽光を反射させる。地熱を利用し急な斜面に畑を作ることで葡萄を完熟させてきた。彼らの努力の結晶が上質な甘口ワインでもある。

逆に冷涼な気候を利用することで、ガラス細工を思わせる硬質的でクリアな味わいの白ワインを生み出す。リースリングやシルヴァーナなどは日本の夏にはぴったりだし、冬場の鍋料理にもおすすめ。

まだ試したことのない方は、この機会にぜひドイツの素晴らしい辛口ワインを楽しんでもらいたい。きっと新しい楽しみが増えるはずだ。

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