さてイギリスワインのお話。
イギリスワインをご存知のお客様はまだまだ少ない。—そしてプロでも。
それほどまでに認知度の少ないイギリスワイン。
実は意外とワインの歴史は古い。
記録を紐解くと11世紀には修道院が所有している葡萄畑からワインが造られていたことがわかっている。
このころは宗教的な意味合いが強かったらしい。
その後宗教改革により修道院が解体。
同時に葡萄畑も解体され、イギリスワインの歴史は早くも幕を引くことになる。
そして16世紀、イギリスワイン復活の契機となったのは以外にもフランスのボルドーワインだ。
この頃イギリスには多くのボルドーワインが輸入されている。
その対価を得ることでボルドーワインはさらに洗練され、世界的なワイン産地として認知されることになる。
ワインと同時に持ち込まれたさまざまな技術を背景に、葡萄の木は交配、改良され多くのイギリス独自の品種を生み出すことになる。
こうして商業的にイギリスワインは復活することになる。
途中、戦争による一時的な衰退を見せるものの、現在では400もの葡萄畑、そして数十のワイナリーが存在している。
残念ながら輸出に耐えられるだけの大手のワイナリーはまだまだ少ない。
チャペル・ダウン
ナイティンバー・ヴィンヤード
キャメル・ヴァレー
ブッカーズ・ヴィンヤード
デンビーズ・ワイン・エステート
ハッシュ・ヒース・エステート
リッジヴュー
あたりだろうか。
これらのワイナリーはコンペティションでの受賞歴も多く、一部は日本にも輸入されているはずだ。
意外な歴史を持つイギリスワイン。
古く、そして新しいワインの世界を楽しんでみてはいかがだろうか。
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