イタリアワインの定番、キャンティ。
一行目にして、がっかりした読者の方もいらっしゃるのではないだろうか。
だが生まれ変わったバローネ・リカーゾリのキャンティは間違いなく美味い。
バローネ・リカーゾリはキャンティに拘り続ける生産者。
スーパー・トスカーナなどには一切の興味も示さない。
名門であるリカーゾリ家はその名の通り、男爵(バローネ)家であり、キャンティワインの生みの親であるべッティーノ・リカーゾリ男爵の一族だ。
その歴史は古く、イタリア統一を果たし王家となったサヴィオア家(フランス語圏だとサヴォア家)が歴史の登場するよりも以前から男爵家として存在している。
しかしバローネ・リカーゾリは売却され、一時期、大手資本の傘下となった。
そして価格も安いが品質も低いワインを量産するワイナリーになってしまった。
しかし現当主であるフランチェスコはそれが我慢ならなかった。
そして1993年にワイナリーを自らの手に買い戻す。
その後、葡萄造りからマネジメントまで徹底的に改良につとめ、見事に名門復活を果たした。
フラッグシップであるカステロ・ディ・ブローリオ。
多くのワイン好きを虜にしたキャンティ・クラシコ。
そして低価格ながら洗練されたサンジョヴェーゼを堪能できるキャンティ。
今回紹介するのは当然、低価格のキャンティ。
キャンティ・デル・バローネ・リカーゾリの2009年。
インポーターはフードライナー。
定価は1,680円だが、セールで1,050円で購入した。
その味わいはフランチェスコの一言に尽きる。
『リカーゾリの名を冠する以上、低価格であっても高品質でなければならない』
サンジョヴェーゼの持つ上品で繊細な酸と軽やかな果実味が気軽に楽しめる。
軽く冷やしてマルゲリータやトマトソースのパスタと合わせれば最高だ。
鶏肉を香味野菜を炒めてからトマトで煮込んでも旨そうだ。
ぜひ手軽な料理と一緒に楽しんでもらいたい。
ちょっと早めに抜栓した方がより美味しく楽しめる。
先日のエントリーではないが「好き嫌い」でなく、このワインの本質が垣間見えればあなたの”舌”は安心だ。
安キャンティが本当に物足りないか、このワインを飲んでから決めてほしい。
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初めまして。赤ならキャンティを好み、自宅で楽しんでます。
開栓してから少しずつ味わいが変わるのも楽しんでます。
2011年9月8日 22:45 | 桜田悶
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>桜田悶さん
はじめまして。
ようこそおいで下さいました。
キャンティ美味しいですよね。
リカーゾリに限らず、エレガントなものが多く楽しめますね。
濃いワインだけでなく、みなさんにもこういったアイテムも楽しんでもらいたいですね。
2011年9月9日 00:19 | 黒須 慧