飲んではハイに 醒めては灰に-guyon
折角なので最初の一本は購入試飲したワインを。

この仕事をしているといいワインも試飲できると思われているが、実は購入して試飲することも多いのだ。

そのワインは「エシェゾー グラン・クリュ」の2004年。生産者はドメーヌ・ギヨンだ。

インポーターは伏見ワイン。

このワインはご存知の方も多いと思うので紹介は簡単に済ませることにする。

ヴォーヌ・ロマネ村とフラジェ・エシェゾー村で造られるワインがブルゴーニュの至宝、ヴォーヌ・ロマネ。

D.R.Cのロマネ・コンティを筆頭とし、世界最高のピノ・ノワールの生産地として知られている。

フランスの行政上では別の村だが、A.O.C上の区分ではフラジェ・エシェゾー村で造られるグラン・エシェゾーとエシェゾーも含まれる。

このエシェゾー、ヴォーヌ・ロマネ村にある8つの特級畑のなかでは、やや格下扱いされることが多い。

理由はいくつかあるが、栽培面積が広いこと、生産者が多いために品質が安定しにくいためだろう。

しかしながら、秀逸な生産者の手にかかったエシェゾーは素晴らしい。

これは周知の事実だろう。

そして生産者のドメーヌ・ギヨン。

フランスの雑誌、ギィド・アシェット誌の2001年度版においてロマネ・コンティと並び最高の三ツ星を獲得。

これはパーカーの五つ星を獲得するよりも困難とされており、近年注目の生産者の一人だ。

日本の雑誌、リアルワインガイドでも

「新進気鋭と騒がれる生産者のうち、一流生産者へと成長しうる可能性を持つ者は極少数しかいないが、彼は間違いなく本物だ。」

と好評価されている。

リュットリゾネで栽培された葡萄は手積みで収穫され、選別は3回。

しっかりとした温度管理のもと醸造され、澱引き後、濾過をせずに瓶詰め。

熟成はオークの新樽で10~14ヶ月。

色調はやや明るい紫。

これはヴィンテージの影響か。

木苺などのベリー系のニュアンスに加え、大輪の花の香り。

そして樽由来の穏やかなバニラ香。

口当たりは柔らかく、豊満でジューシー。甘さすら感じさせる。

余韻もながく、一口の満足度が高い。

意外かもしれないが、エシェゾーを飲んでからブルゴーニュに傾倒する人は多い。

やはりヴォーヌ・ロマネのグラン・クリュの中では手が出しやすいからだろう。

その気持ちはよくわかる。

上質なワインは、我々の心を捕えて離さない。

今回、唯一残念だったのは試飲カップでの試飲だったということだ。

一本800円のワインでも、エシェゾーでも扱いは変わらない。

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