今日、突然にお客様に聞かれたことがある。
「赤ワインの最高峰はロマネ・コンティとして、白の最高峰はなんというワインなのか?」
という質問だ。
すでに赤の最高峰をロマネ・コンティと決め打ちしている時点でやや引っかかる。
たしかにD.R.Cのワインは素晴らしい。
さすがにロマネ・コンティは飲んだことはないが…
かといってボルドーの赤ワインの最高峰といわれるシャトー・ペトリュスがこれに劣るとは思えない。
かのロバート・パーカーに
『ペトリュスはワインと言うよりは、神話の象徴なのだ』
と言わしめた実力は伊達ではない。
それにワインは”誰”と”どんな気持ち”で飲むかで味が変わる。
大嫌いな人間とロマネ・コンティを飲んでも本来の感動はないだろう。
逆に大好きな人となら1,000円のワインでも満たされるはずだ。
などと一瞬のうちにいろいろと考えたのだが、お客様にそんなことを言っても意味がない。
お客様にとっては「ちょっと話のネタ」に聞いてみたくらいのものだろう。
思案したが、せっかく赤ワインの最高峰にロマネ・コンティを挙げているので、こちらで勝手に「ブルゴーニュ限定で」という逃げ道的条件を付けてみることにした。
が、次の瞬間に結局困ることになった。
ブルゴーニュの白ワインの最高峰に名を挙げられるワインは二種類ある。
ひとつは”モンラッシェ”だ。
ピュリニー・モンラッシェ村とサシャーニュ・モンラッシェ村にほぼ半々にまたがる特級畑。
造り手の代表格はやはりドメーヌ・ド・ラ・ロマネコンティだろう。
もうひとつは”コルトン・シャルルマーニュ”。
こちらもモンラッシェに引けを取らない最高峰白ワインのひとつだ。
造り手の代表格はコルトン・シャルルマーニュの生みの親とされるルイ・ラトゥールだ。
(写真は半年ほど前に飲んだルイ・ラトゥールのコルトン・シャルルマーニュの2006年)
”重厚な荘厳さ”を感じるのは『モンラッシェ』
”優美な繊細さ”を感じるのは『コルトン・シャルルマーニュ』
といった感じだろうか。
どちらも甲乙つけがたい。
いやむしろ順位を付けることになんの意味があるのだろうか。
「…いや…そんな真剣に悩まなくても…」と、お客様に声をかけられてはっ、とした。
一体なにをしているのだろうか、私は。
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学生時代の友人と飲む
マドンナ
2010年11月16日 00:01 | BonRepas麻布十番店
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>BonRepas麻布十番店さん
素晴らしいワインですね。
なにせ聖母マドンナは幸運の軌跡を起こすといわれる存在ですから…
私の最高の白ワインは、仕事上がりに飲むヘルツ・デア・モーゼルでしょうか…
どちらもセールなら1,000円程度で手に入りますね(笑)
最高の白ワインがこの価格で…
いい世の中になったものです。
2010年11月16日 01:26 | 黒須 慧