ミードはまちみつを原料にした醸造酒だ。
ハニーワインと呼ばれることも多い。
その起源は古く、14,000年以上遡ることができるという説もある。
ギリシャでは神々の飲み物として讃えられ、古代マヤ文明では神聖な儀式に使われた。
古代ローマ時代にはガイウス・ユリウス・カエサル(ジュリアス・シーザー)やクレオパトラの愛飲した酒と言われている。
さすが人類最古の酒と言われるだけのことはある。
そして”ハネムーン”の語源でもある。
古代から中世ヨーロッパでは新婚の夫婦は一ヶ月もの間、ミードを造り、子作りに励んだ。
これは蜂蜜には強壮作用があるといわれたことや、蜂の多産にあやかるという説もある。
この一ヶ月を「蜂蜜の一ヶ月」、そして「蜜月」(ハニームーン)という言葉が生まれた。
これが転じてハネムーンと言われるようになった。
そして家庭で造るのも簡単だ。
蜂蜜を2~3倍に希釈し、そこにドライ・イーストを加え寝かせる。
冬場でも一週間、夏場なら2,3日あれば完成する。
ドライ・イーストを加えなくても空気中の天然酵母を取り込み、勝手にアルコール発酵を開始する。
が、ドライ・イーストを使った方が失敗しない。
お好みでハーブやフルーツを加えても美味しい。
ちなみに上記の方法でアルコール度数1%以上になるアルコール発酵を行うと酒税法違反になる。
五年以下の懲役、または五十万円以下の罰金。
密造酒を造るには覚悟が必要だ。
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