ワインを楽しむためのワインブログ

ワインを楽しむためのワインブログ                               飲んではハイに 醒めては灰に-酸化防止剤
イタリア展が一段落し、翌日からの千葉の仕事もとりあえず終わった。

先月末から一日しか休みがなかったので、さすがに疲れが溜まっている。
が、事務仕事がたっぷりとたまっているので完全休養はまだお預けだ。

ブログの更新をしようにもイタリアワインはしばらく見たくない。

そこで催事で多かった質問に答えることでお茶を濁したい。

その質問はこれだ。

『酸化防止剤(亜硫酸塩)の入っていないワインはないんですか?』

かなり誤解をはらんだ問題なのでこの機会に誤解を解いていきたい。

そもそも亜硫酸塩とは亜硫酸イオン化合物だ。

非常に酸素と結合しやすい性質があり、食品添加物として利用されている。

ワインの場合には圧搾後の葡萄果汁の微生物繁殖を抑制したり、色素安定に効果を発揮する。

また容器や器具の殺菌にも利用される。

添加をせず、ワインを熟成させることはかなり困難であり、現実的ではない。

(昔は硫黄を燃やして同成分を発生していたが、カーヴ内で酸欠で死亡する人が多発した)

もちろん添加量は商品衛生法で厳しく管理されている。

で、本題。

結論から言うと、質問の答えは「たぶん、ない」が正解かな、と個人的には思っている。

「???、いや、いっぱい売ってるでしょ?」と思った方はいろいろワインをチェックしている方だろう。

ご存知の通り、国産ワインの一部は大きく「酸化防止剤無添加」と書かれているし、ブルゴーニュの自然派の造り手には無添加の造り手もいる。

ではもう一度よく注意して見てもらいたい。

「酸化防止剤”無添加”」なのだ。

無添加とは”添加をしていない”という意味であって、”入っていない”のとは意味が違う。

あくまでも人為的に加えていない、というだけの意味合いだ。

そもそも亜硫酸という成分は酵母の活動において微量に発生する成分なのだ。

つまり”添加”はしていないけど、製造過程で発生した分は”入っている”、ということだ。

最終的には胃の中の酸化酵素と結合し、無害化する。

(ぜんそく患者が大量に摂取すると害を起こすことがあるが、食品添加物程度の量では無害といわれている)

これでちょっとは誤解が解けたのではないだろうか。

実際のところお客様はこう説明したところで引き下がってはくれない。

上記の説明をすると「でも旅行に行ったときには入ってると書いてなかった!」と激昂される。

これは本当に書いていないことが多いのだが、日本と違い海外では添加物の表示義務がない。

そもそも入っていることが前提なので、いまさら書かなくてもいい。

だから書かない。

さっきと同様に”書いていない”ということと”入っていない”ということは別問題だ。

これを読んだお客様には賢く買い物してもらいたい。

まぁ正直なところ、そこまで酸化防止剤を気にするならワインを飲まなくてもいいのではないかと思っている。

別に飲まないと困るものでもない。

私は気にしないのでこれからも美味しく飲む。

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コメント一覧
  • SECRET: 0
    PASS:
    いわば
    味の素を認めるか否か てとこですかね
    成分同じなんだから
    美味しければいいじゃないか!
    個人差はあれど
    と 思いましたv( ̄ε ̄)


    2011年10月20日 02:42 | Tom Scotta

  • SECRET: 0
    PASS:
    >Tom Scottaさん
    たぶん「亜硫酸塩」という名前がいけないんですよ。怖いから。
    「酸素とくっつく君スーパー」とかならきっと添加しても文句言わないですよ。きっと。


    2011年10月20日 10:51 | 黒須 慧

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