飲んではハイに 醒めては灰に-ルミエール地下セラー
最後に訪れたのはシャトー・ルミエール。

創業は明治18年。120年以上の歴史を誇る日本屈指のワイナリーだ。

世界中のコンクールで多くの受賞歴を持ち、宮中の晩餐会でサービスされる皇室御用達のワイナリーだ。

ルミエールとはフランス語で”光”を意味する。

シャトー・ルミエールのこだわりは本物の葡萄を育てること。

そして最高品質へのこだわりだ。

そのために2004年からビオディナミを実践している。

ビオディナミ農法では化学飼料や農薬が使われることはない。

さらに月と星座の位置関係なども重要視され、農業暦を基準に細かく作業が決められている。

実際、シャトー・ルミエールでは畑に合わせて柔軟に対応しているようだ。

そして畑をあえて耕さず、雑草などの下草を多くすることで自然に近づけた方法で葡萄を栽培している。

この時期、畑には多くの下草が生えている。

とくに目を引くのが蒲公英だ。

日本では外来種の黄色いセイヨウタンポポが一般的になったが、シャトー・ルミエールの畑には白い蒲公英、シロバナタンポポが生えている。

黄色と白のコントラストは美しい。

葡萄が実っていない時期にワイナリーに訪れたものだけが楽しめる風景だ。

こうして健康な畑から生み出される多くのワイン。

なかでも人気があるのは間違いなくペティヤンのシリーズだろう。

通常ペティヤンは3.0気圧以下のスパークリングをさすが、シャトー・ルミエールのペティヤンはややガス圧が高い。

アルコール発酵中のワインを冷却し、発酵を減速させ残糖分を残したまま瓶詰め。

瓶内で再発酵させることで泡を生み出す。

甲州では「田舎方式」と呼ばれている。

ほんのりと苦味のある後味。一次発酵から生まれる自然な泡。

これからの時期にぴったりと楽しめる一本に仕上がっている。

夏に向かって楽しめるワインが増えた。

長い歴史を持つルミエールワイナリー。

これからも日本のワイン文化に輝きを与える”光”となる。

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