さてみなさんはシャンパーニュを飲むときにどういったグラスを使っているだろうか。
恐らくほとんどの方が「シャンパングラス」と答えるだろう。
「クープグラス」という方がいたならば相当なパーティ好きではないだろうか。
だから私がこういった提案をするとほとんどのお客様が驚く。
『このシャンパーニュはブルゴーニュグラスで飲んでみてください』
シャンパーニュの中の一部のアイテムはシャンパングラスよりも口の広いグラスで飲んだ方がバランスが取れるものもある。
その判断は難しい。
一言でいえば「試飲した時の印象」なのだが、強いて挙げるとRMシャンパーニュやロゼに比較的そういった傾向が感じられる。
泡立ちを抑え、香りを満たす。
そして舌に広く流しこむことで細かい味わいをより深く感じることができる。
機会があれば試してみてはいかがだろうか。
前置きが長くなったが、そんな楽しみ方のできる一本を紹介しよう。
それがビオディナミで造られるシャンパーニュ、
ド・スーザ・エ・フィスのトラディション。
インポーターは中島董商店。
価格は7,140円だった。
ド・スーザはコート・デ・ブラン地区のアヴィズ村を中心に、オジェ村、クラマン村、そしてアイ村に畑を所有している。
年間生産量は85,000本と少ない。
仕込みも大きな木製樽で行い、それにより一層の厚みを持たせている。
トラディションのセパージュはシャルドネ50%、ピノ・ノワール40%、ピノ・ムニエ10%だが、シャルドネ比率を高く感じる造りになっている。
ル・クラスマンをはじめ、多くの専門誌で非常に高い評価を得ている。
色調はやや深い麦藁色。
ふくよかで上品なトースト香が立ち昇り、樽由来のバニラ香も感じられる。
泡のキメは細かく、果実味と酸味、そして長い余韻が一層の満足感を演出してくれる。
本当はクラシックなフレンチと合うのだろうが、家でならバターやクリームをリッチに使った料理と合わせるのがいいだろう。
長生きできなさそうな組み合わせだが仕方がない。
上質なシャンパーニュと料理は長生きを断念させる力があるのだ。
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シャンパーニュには、シャンパングラスが当たり前…でもないんですね。
勉強になります。
ところで、話は大きく変わりますがもう以前のように、どこどこのBARに飲みに行って何を飲んだ…と言うような記事は、書かないのでしょうか?
あれは、あれで楽しく拝見していたもので(^_^;)
2011年5月12日 01:14 | 蓮月
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>蓮月さん
ご無沙汰しております。
色々グラスを換えて飲んでみてください。
よく過去の記事を覚えていらっしゃいますね(笑)
書かない、というか飲みに出てないんですよ。ここ一年半くらい。
ちょっと仕事に集中しようかと、飲み代は書籍代と試飲代に消えました。
そろそろ解禁しようか、とは思っているんですが…
記事になったら”解禁”したと思ってください。もうどんな風に書いていたか思い出せませんが。
2011年5月12日 10:40 | 黒須 慧