冷蔵庫を開けると丁度いい白もスパークリングも冷えていなかった。

毎度、自分のことながら、やることに抜かりが多い。

冷えているのはレイトハーベストのケルナーとボランジェのキュヴェ・スペシャル。

残念ながらどちらも開けるわけにはいかない。

セラーを開け、取り出したのはデルタ・ヴィンヤードのピノ・ノワール。

ヴィンテージは2008年。

安くて美味い。たしか1800円程度だったはずだ。

輸入は株式会社ミレジム。

ミレジムはイスラエルワインのヤルデンも引いているが、こちらもお勧めだ。

これほどジューシーなピノ・ノワールはヨーロッパでは楽しめない。

デルタ・ヴィンヤードはニュージーランド南島のマルボロのワイナリー。

前身はデルタ・ファームという羊の牧場などを営む農場だった。

2000年に現在の所有者に買収され、ワイン造りを開始する。

畑は地表にローム層、その下に粘土層が広がり保水力も高い。

そして抜けるような青空から降り注ぐ太陽。

まさにジューシーなピノ・ノワールを育てるのに適している。

ピノはブルゴーニュ選抜のディジョン・クローンだ。

色調はやや深いルビー色。

ピノにしてはかなり濃い色合いだ。

口に含むと熟した野イチゴのような若いベリー系のニュアンスが広がる。

タンニンはすべらかで嫌味がない。

後味に穏やかな酸味があり、味わいがダレることもない。

季節にはいまいちマッチしていないが、美味ければ問題ない。

面倒なので枝つきの干し葡萄を合わせることにした。

単に冷蔵庫に食材がなかっただけだが。

これからの時期ならバーベキューに合わせてもいいかもしれない。

やや甘めのタレと合いそうだ。

面倒だが、いまからスーパーで焼き鳥でも買ってこよう。

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