例年よりも梅雨入りが遅れているらしい。
かろうじて持ちこたえているような重い空だが、通勤を考えるともう少し頑張ってもらいたい。
本格的な夏になると爽やかな白ワインやスパークリングワインが美味しい時期になるが、この時期にはこの時期の楽しみ方がある。
前回はイタリアの赤ワインを紹介したが、今回はアルザスの白ワイン。
ちょっと不快指数の高い、この時期には楽しめる一本だ。
ぜひ覚えてもらいたい。
アルザス地方はフランスの北東部、ドイツ国境と隣接するワイン名産地。
ライン川とヴォージュ山脈に囲まれ、気候もドイツに似ている。
そのためドイツ系の葡萄品種の栽培が多く、香り華やかでガラス細工を思わせる繊細な白ワインが多い。
今回紹介するのはギィ・メルシオルが手掛けるエデルツヴィッカーの2009年。
インポーターは豊通食料で、価格は2,100円だった。
比較的価格レンジの高いアルザスにしてはリーズナブルなワインになるだろうか。
ギィ・メルシオルはダンバッハ・ラ・ヴィル村で18世紀からワインを造っている生産者。
ビオロジックで耕作し、花崗岩土壌の持つ特徴を最大限引き出したワインを生み出している。
所有する畑は12ヘクタールほどだが、そのうち2.5ヘクタールはグランクリュの”フランクシュタイン”だ。
そして単一品種で造られることの多いアルザスワインでは珍しく混醸されるのがエデルツヴィッカー。
リースリング、シルヴァネール、ピノグリ、ゲヴェルツトラミネール、ピノグリ、ミュスカ、ピノブランのうち数種類がブレンドされることが多い。
ギィ・メルシオルはシルヴァネールを主体にリースリング、ミュスカ、ゲヴェルツトラミネールをブレンド。
それぞれの特徴を生かしつつ、絶妙なバランスで造りこまれている。
シルヴァネールの果実味、リースリングの香りと酸味、ミュスカの香味、そしてゲヴェルツの紅茶やオレンジピールのような余韻。
一口でいろいろなワインの味わいが楽しめる。
そういう意味ではちょっとお得なワインかも知れない。
飲み始めの方にはなかなかとっつきにくい産地ではあるが、勇気を出して試していただきたい。
2,000円ならちょっとの勇気で平気だろう。
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