ハートのマークで有名な格付け3級のシャトー・カロンセギュールがついに売却となった。
売却先はフランスの保険会社スラヴニールで、買収額は20億ユーロと報じられている。
なお醸造チームなどはそのままとどまる予定。
カロン・セギュールを19世紀から所有するフィリップ・ガスクトンと結婚したドニーズ・カプベルン・ガスクトン夫人が昨年9月に死去。娘エレーヌと孫娘イザベルが、クリュ・ブルジョワのシャトー・カプベルン・ガスクトンとともに引き継いだ。
一度は家族経営継続を公表したものの、その巨額の相続税が負担になったものといわれている。
格付けシャトークラスの高品質を保つためには、設備投資に巨額の費用がかかる。これを個人で相続するには巨額の相続税が発生するため、資金力のある企業に売却される例が増えている。
シャトー・カロン・セギュールの畑はボルドー地方のサンテステフ(St. Estephe)村の北部にあり、格付けワインの中でも最北端に位置する。
”我、ラフィット、ラトゥールを造りしも、我が心、カロンにあり”
というセギュール候の言葉とともに、その人気は、もはや不動のものと言っても過言ではない。
醸造チームがとどまることになれば大きな品質の変化はないと思われるが、家族経営の優良シャトーが次々と大手企業に売却されるのはちょっと寂しい。
【参考:読売新聞ほか】
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